こんにちは。編集長です(https://twitter.com/YAMATO22224)。

マラウイでは日経企業であるBefowardが、ウガンダでは本田圭佑が事実上の代表を務めるSoltilo Groupがアフリカのクラブを買収して“アフリカサッカー×ビジネス”の動きを加速させています。

今回は、アフリカサッカーの最前線にいる編首長が、そんなアフリカ「アフリカサッカークラブ買収&経営の可能性」についてあなたにお伝えしたいと思います。

アフリカサッカークラブ買収&経営の可能性とは?

先筆した2つの企業はそもそもなぜアフリカのサッカークラブを購入したのでしょうか?

実は、建前上は“CSRや貢献活動”“などの名文句が登場してきますが、現実的な狙いはもっと”なまなましい“ものです。

本当の狙いは、

クラブの“所有権(株式)”を得ることで選手の保有権“売買する権利”を得ることを目的としているのです。

アフリカ国内の若く、才能のある選手を発掘(育成or他クラブから購入)してその選手を海外へと移籍させることで“移籍金”を得ようとするのが最大の狙いだと言えます。

実は、このビジネスにはFIFA(国際サッカー連盟)が規定するある移籍に関する条約が大きく関係しています。

FIFAが定める「連帯貢献金」とは?

FIFAは、国際移籍をするような優秀な選手を育てたクラブ(12歳-23歳在籍チーム)が、その対価を得られる制度として「連帯貢献金」を定めています。

これは、

選手が国際移籍をした場合に、移籍金の5%が連帯貢献金となるものです。
12-15歳まで所属したクラブは1年当たり移籍金の0.25%、16-23歳までのクラブは0.5%を、移籍先に請求することができるのです(育成したクラブの申告制)。

つまり、保有する選手を売却した際に生まれる移籍金に加えて、その選手が海外移籍をするたびにFIFAから連帯貢献金(不労収入)が支給されるのです。

例えば、最近Jリーグに初めてのケニア人選手として柏レイソルに加入したマイケル・オルンガ選手の例を見てみましょう。


(マイケル・オルンガ選手)

彼は、ケニアのリバティ・スポーツ・アカデミーで育成された後、保有権を持つケニアの強豪ゴル・マフィアから21歳の時にスェ-デンのユールゴーデンに移籍しています。

その後、中国の貴州智誠(途中ローンでスペインのジローラへ移籍)、した後に2018年から柏レイソルに加入しています。

つまり、スェ-デンから中国に移籍した際には数十億円の移籍金が発生しており、リバティ・スポーツ・アカデミー及び、ゴル・マフィアには多額の連帯貢献金(不労収入)が入っているのです。

「アフリカサッカークラブ買収&経営」はこの辺りの条約を上手く活かしたビジネスだと言えます。

実際儲かっているの?

編集長は幸運にもウガンダのクラブ経営を現場で学ぶ機会を得ました。その際に感じたことは、

“お金を生むのは非常に難しい”

という事です。

ウガンダ代表で20歳前後のウガンダリーグ得点王の選手でさえ、日本では“身体能力は高いがサッカーIQが欠落している”との判断で入団を拒否されています。

選手を上手く売却するためには、こちらから“売り込み方”が大切だとこの時切に感じました。

つまり、“優秀な代理人”が必要になるということです。

ここでいう優秀な代理人とは、メンデスのような大物代理人を指しません。

名もない選手の魅力を見つけ、その選手を獲得することでそのチームにどのようなメリットがあるのかを明確にし、選手自身にいくつかの付加価値を付けさせることができる代理人。

つまり、誰が代理人をしても売れる選手と、アフリカの無名の選手では売り込みのマーケティング法は全く異なります。このような層に強い代理人を見つけることがこのビジネスの肝になります。

アフリカサッカークラブ買収&経営のメリット・デメリット

ここでは、アフリカサッカークラブ買収&経営のメリット・デメリットについて見てみましょう。

【メリット】
・クラブ買収金額が安い(数百万ウガンダ実績)
・優秀なスカウトがいれば利益を生むことができる
・経営費が安い(物価・人件費が安いため)
・選手が一人売れればかなりの利益になる
・クラブの価値を高めてクラブ自体を売却することもできる

【デメリット】
・優秀な代理人がいないと選手を売れない
・アフリカでは興行収入・スポンサー収入・グッズ収入などが見込めない
・そもそも本当に才能のある選手はローカルリーグにはいない(若いうちに海外にスカウトされている)

考察

いかがでしたか?

「アフリカサッカークラブ買収&経営」は夢も大きいですが、お金を生むことも、難しいビジネスです。

もし、私なら、トップチームを強化するよりも身体能力が高く、伸びしろがある若手を育成するビジネスを選びます。

先筆したようにアフリカのローカルで育った選手はしっかりとした指導を受けていないためにサッカーIQが著しく低いのです。

その為に、海外のサッカーに適応することができません。しかし、幼少期より丁寧に育てることができれば可能性に溢れる選手を数多く輩出することができるようになるのです。

つまり、アフリカのローカルアカデミーの保有や提携の方が、ビジネス的に可能性が大きいというわけです。

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