こんにちは。編集長です(https://twitter.com/YAMATO22224

先に開催されたワールドチャレンジでナイジェリアから初参戦したナイジェリア選抜がバルセロナやPSGなど並み居る強豪を破り、見事優勝を果たすなど近年日本国内においてもアフリカサッカーの可能性がにわかに注目を浴びています。

実は、アフリカにおけるアカデミー事業は近年増加の一途をたどっています。

これまでにもドイツでレッドブル・ザルツブルグを保有するレッドブル・グループは2008年から西アフリカのガーナでアカデミーを設立し毎年、2~3人の選手をトップチームに送りこむことを目標に掲げて活動を続けてきました。

しかし、アフリカ特有の不安定な経済事情や文化の違い、思い通りの結果を出すことができないなど様々な要因が重なり6年間でたった1人ザルツブルグへ選手を送ることができずに2014年に消滅しました。

このような現象は実は氷山の一角であり、数えきれないほどの国からアフリカへ進出してきては撤退を繰り返しているのです。

ココで少し考えてみてください。

1つの事業が終わった場合、そこ残された子供たちはどうなるのでしょうか?

私のアフリカでの経験を基に伝えるならば、残念ながらその多くが路頭に迷い、最悪の場合には犯罪に手を染めてしまうことも珍しくはないのです。

もっと、言えば仮にアカデミーが存続できたとしてもプロになれなかった子供たちはどうなるのでしょうか?

悲しい現実ですが、その多くが路頭に迷う結末になっているのです。

“アカデミーがどこまで責任をもって大切な子供達に対して取り組めるのか?“

これは、アフリカに進出するアカデミーの長年の課題と考えられてきました。


Right to dreamとは?

そんな問題を解決すべく新たな取り組みを始めているのがガーナにある”Right to Dream”(以下RtD)です。

1999年にトップチームを持たない育成組織RtDを立ち上げ、現在までマンCやチェルシーなどヨーロッパ最高峰のクラブに30人以上の選手たちを輩出してきた名門アカデミーが注目されているのはその優れたサッカー指導だけではないのです。

彼らは”プロになれなかった選手たちの道”を切り開くために責任を持った取り組みをしているのです。

サッカー選手になるための道として毎年のように海外で開催されるエリートトーナメントなどへの出場は勿論のこと、サッカー選手になれなかった子供たちに対しては大学への進学をサポートするなど手厚い指導を行っています。

また、サッカー以外に勉学を指導することも重要視しており、ガーナ国内でもトップクラスの優れたカリキュラムと講師陣から多くの知識を得ることができるのです。

卒業生の多くは奨学金を取得し、提携先のアメリカやイングランドの大学へと進学をしており、弁護士や医者になったという卒業生も数多く存在しているのです。

アカデミーの役員である元マンチェスターユナイテッドのスカウトだったトム・バートン氏はこの取り組みについて以下のように語っています。

ヨーロッパや先進国の子供たちはプロになれなかったとしても会社や家族が用意してくれるプランBがあるが、アフリカではそうはいきません。だからこそ、アカデミーが責任をもってプランBを用意しなければならないのです。

現在では、この素晴らしい哲学が多くの共感を呼びスポンサーになりたいと申し出る企業や個人が後を絶たないのです。


RtDの事例から想うこと

どれほどまでの責任を負うことができるのか?

これは、子供達と関わる大人が向き合わなければならない問題だと思います。
残念ながら、アフリカには未だに意欲や夢を胸いっぱいに持ちながらもそれを追うことができない子供たちがたくさんいます。

私がサッカーの指導をしてきたアフリカのジンバブエ、ルワンダ、ウガンダ、ケニアなどの経験を通してその厳しさを痛いほどに感じてきました。

同じサッカーが好きで好きでたまらないもの仲間として自分に何かできることがないか?

そんな想いで始めたNGOジンバブエ侍フットボールプロジェクトも多くの方に支えてもらい1周年を迎えることができました。

現地で奮闘してくれるスタッフのことを想うと不思議と湧いてくるのは勇気。

“きっと誰かのために本気になれる時、自分が持つ力を超えることができる”

そんな言葉を再認識させてもらう毎日です。

そんなZSFPも大阪の高校との提携が決まり、多くのアプローチが可能になりそうです。

感謝しながら、自分にできることを少しずつできれば良いですね。

RtDの記事を書きながらそんなことを感じました!