アフリカ大陸の大西洋岸に、1960年にフランスから独立したコートジボワールという国がある。

人口およそ2300万。チョコレートの原料カカオの世界的産地として知られ、2010年以降、年によっては2桁を記録する順調な成長を続けている。

今でこそ成長軌道をひた走るコートジボワールだが、今世紀はじめのおよそ9年間、この国は内戦を経験し、地獄を見た。

内戦が始まったのは今から16年前の2002年9月だった。国土の北部で国軍から離反した兵士750人が武装蜂起し、反乱の狼煙はみるみる拡大した。

北部の広い範囲を制圧した反乱軍と、アビジャンの中央政府軍との泥沼の戦闘の末に戦況は膠着状態に陥り、コートジボワールの国土は11年まで南北に分断された。

死傷者多数。

未来ある子供たちまでもが少年兵として駆り出された。

そんな母国の一大事に深く心を痛めていた男がコートジボワールの英雄である

ディディエ・ドログバ

である。



サッカーを通して内戦を終焉させる

国民が愛してやまないスポーツ“サッカー”を通して国が一つになることを目標に活動を始める。

その1つがW杯への出場である。

厳しいアフリカ予選を勝ち抜き、W杯への出場を決めることで内戦を終わらせたい。

ドログバは、サッカーを通して国を1つにすることを決意する。

コートジボワールは苦しみながらも2006年のドイツW杯の出場権を獲得する。

そして、

ここでいまもなお語り継がれる出来事が繰り広げられる。

W杯の出場を決めた直後、普通であれば喜びで溢れかえる選手たち。

しかし、

彼らは更衣室に戻り、チーム全員で生中継のテレビカメラの前でひざまずきチームを代表してドログバが国民に次のメッセージを送る。

コートジボアールの皆さん、北部出身の、南部出身の、中部の、そして西部出身の皆さん。

私たちはこうやってひざまづき皆さんに懇願します。

許しあってください。

コートジボアールほどの偉大な国がいつまでも混乱してるわけにはいけません。

武器を置いて選挙を実施してください。

そうすれば全てがよくなります。

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そして、このスピーチの一週間後、内戦は終息を迎えるのです。

ドログバは直接大統領と面会し、これまで南部でのみしか行われていなかったコートジボワール代表の試合を対立していた北部で行う事を懇願。

内戦で疲弊しきっていた北部の人たちはコートジボワール代表の試合を生で観戦した際に感動のあまり涙を流した人であふれていたそうです。

世界で最も影響力のある100人にも選出されるドログバ。

彼が母国にもたらした影響は計り知れません。



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