こんにちは。編集長です(https://twitter.com/YAMATO22224)。

今日は南部アフリカで未だに蔓延するHIVとサッカーのお話です!

“アフリカのオアシス!”

アフリカ南部に位置するジンバブエは、1980年の独立後に近隣国とは異なる白人融和政策を採ったことにより、周囲の国々から尊敬の念を込めてこのように呼ばれていました。

2世3世として生まれたジンバブエ人と表面的には手を携えて国造りを進めており、隣国の“経済大国”である南アフリカと肩を並べる経済大国にとなりました。

特に、農業、製造業のレベルは非常に高く、食品や日常品といった生活必需用品に関しては輸入をしなくてもほぼ国内産で賄うことができており、近隣諸国に輸出するというサハラ以南アフリカでは珍しい国でした。

しかし、

2000年代のロバート・ムガベ大統領の失政によって、最終的には世界でも類をみない二億三千%に達するハイパーインフレを引き起こしました。

そして、この間ジンバブエ政府は欧州をはじめとする多くの援助国との関係を断ち切り、HIV/エイズに関する対策も全くというほどなされなかったのです。

その結果、現在ジンバブエでは成人の感染率は実に15%以上に上り、4人に1人はHIVに感染している状況まで成り下がってしまいました。

医療環境が充実していないジンバブエではHIV患者に対する適切な治療が行われることはなく、一度観戦したらあとは静かに死を待つだけという悲惨な状況なのです。

今回は、そんなHIV養成患者とエイズ患者の生活の質の向上を目的にジンバブエで行われている「女性たちのサッカー活動」に焦点を当てて行きましょう!

ポジティブ・レディース・フットボール・クラブ

“HIV/エイズに関わる偏見を社会からなくすこと”

を目的に、

ポジティブ・レディース・フットボール・クラブ(Positive Ladies Football Club: PLFC)は、2008年にジンバブエの国内の10州から16チームが参加して結成されました。

参加する選手たちは18歳~40歳のHIV陽性の判定を受けた女性たちであり、普段の練習は地区のチーム毎に行われ、クラブによる大会も開催されていました。


(試合の様子)

PLFCの設立者は?

PLFCの設立者は、かつてジンバブエのプロサッカーリーグ「プレミアリーグ」の代表を務めたクリス・サンボ氏で、この取り組みを以下のように説明しました。

サッカーは、世界で最もメジャーで人々を1つにする力を持つスポーツです。私はサッカーがHIVと共に暮らす人々への偏見と闘い、行動変容をもたらすためにとても有効な“プラットフォーム”となることを信じています。

HIV陽性者によるサッカーとは?

HIV陽性者がサッカーをすることの“安全性”に関しては恐らく今この文章を読んでいるあなたも疑問を持っているのではないでしょうか?

FIFAのHIVに関する見解としては、

HIVに感染している選手が出血し、体液が他選手の皮膚粘膜に接触すれば、論理的にはHIVに感染する可能性はあります。
しかし、そのようなことが起こる可能性は低く、また起きたとしても感染のリスクは非常に低いとされます。

実際にPLFCへの参加者は、主治医からサッカーへの参加を進められており、その理由は、

1.精神的・肉体的に強くなることによって免疫力が高まり、感染症の予防につながる

2.身体活動をした後は、血流が上がるため、服用している薬が体内にいきわたり、効果が高まる

としています。

つまり、HIV陽性の患者がサッカーをすることに問題は無いと言えるのです。

サッカーへの参加で生まれた変化・・・

PLFCの参加者からは、クラブが目的としている

“「人々による差別・偏見」が見られなくなった”

ことを成果とする声が多いです。

その他には、

・HIV感染をカミングアウトすることができた
・家族からの理解が得られた
・練習や試合の後には適度な疲労でよく眠れるようになった
・子供の世話や、物の貸し借りなど実質的な助け合いができるようになった

PLFCの問題点とその未来

近年、冠スポンサーであった国内最大手の銀行であるBankABCが撤退したことにより、全国大会の開催が不可能となりました。

しかし、全国大会が行われていない今でも練習や練習試合、地区大会などの活動は続けられています。

これまで“孤立”していた陽性者が練習などを通して定期的に集まることで“集団”として明らかになる事には大きな意味があると言えるでしょう!

編集長編集長

PLFCは現在、全国大会を行うためのスポンサーを募集しています!CSR活動などご興味ある方はお問い合わせよりご連絡くださいませ!



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