元横浜Fマリノスのレジェントである中町公佑選手にアフリカ(ザンビア)での電撃移籍が発端で現在編集長の元にはアフリカでサッカー選手になりたいと言う若手選手からの依頼がちょくちょく届くようになりました。
そんな方たちと接する中で、アフリカに挑戦したいと考えているサッカー選手達は“ある共通した悩み”を抱えていることが判りました。
その悩みとは、
“挑戦したいけど怖い!”
というものでした。
もしかしたら今この文章を読んでいるあなたもそんなアフリカへの「希望」と「不安」を持った多くのサッカー選手たちの1人かもしれません。
それもそのはずです。近年では海外移籍の選択肢としてもはや当たり前となってきたタイやマレーシア、シンガポールなどではなく、「アフリカ」ですからね。
しかし、よくよく聞いてみるとその「怖さ」の原因が「情報不足」であることが判りました。
そこで今回はアフリカのジンバブエでプロサッカー選手としてのプレー経験を持つ編集長がアフリカでプロサッカー選手になる方法、なってからのハプニング(泣)、さらには編集長が考えるメリットとでメリットについて徹底解説していきたいと思います!
この記事は4分ほどで読み終わります!
アフリカでサッカー選手になるための方法!
アフリカでサッカー選手になるためにはどうしたら良いのでしょうか?
実は、現在日本にはアフリカに精通した代理人は皆無であると言われており、先筆した中町選手クラスでさえ自分で移籍先を探すという状況を強いられているのです。
このような状況を打開するために必要なのが、現地での「人脈」です。もし、あなたが日本にいるのであれば現地とコネクションのある日本人(編集長)のような人物を見つけることが大切になります。
編集長は現地(ジンバブエ)の友人にチームを紹介してもらい、セレクションに参加することができました。
ちなみに、アフリカのチームと契約する際には「一発サイン」ということはほぼ無いと考えておいた方がよいでしょう。
毎年シーズン開幕前に行われるトライアルに参加して日に日に減っていく選手達との厳しい生存競争を勝ち抜かなければならないのです。
実際に編集長が参加したジンバブエのクラブでは2週間のトライアルに参加し、初日にはなんと100名以上の選手たちが参加していました。
トライアルの内容は基本的に試合です。そして毎回試合の終了後に名前を呼ばれた選手だけが次の日のトライアルへ参加する権利を得ることができるのです。
編集長も2週間後にはたったの5人ほどに絞られていたので、2週間で実に95人が落選したことになります。
一見聞くと編集長が優秀な選手に見えるかもしれませんが、決してそんなことはありません。私が選ばれた理由は単に「日本人が持つ優位性」を最大限に発揮したからなのです。
それでは一体この日本人が持つ優位性とはどのようなものなのでしょうか?
日本人の優位性とは?
一般的に日本人と比較してアフリカ人の選手たちは圧倒的に身体能力が高いという特徴があります。
一方で、アフリカ人選手たちは経済的あるいは環境的な事情からジュニアやユース年代で適切な指導を受けていないために、止める・蹴るという技術の水準が非常に低いと言えます。
また、戦術理解(サッカーIQ)も総じて低いために、一定レベルの基礎レベルを兼ね備えている日本人選手であればアフリカではそのまま「差別化」となり、かなり高い評価を受けることが可能になるのです。
実際にプレーした際に感じたこと
とは言え、アフリカ人選手の身体能力は超人的です。
90分間疲れることのない体力、鳥肌が立つようなジャンプ力に加えて、日本にいたら絶対出てこないところから足が出てくるなど特別なリズムを持っている選手が多く、1対1の場面では編集長もかなりの苦労を強いられました。
今思えば、SBだった編集長は本当に止めて・蹴るだけしか彼らを上回る要素はなかったように思います。
契約の際に必要となる書類について
さて、念願のチームとの契約が決まったときには喜びもひとしおです。
しかし、ここで油断してはいけません。なぜなら、私たち日本人はアフリカでは「外国人枠」として扱われるために、「選手登録」という高い高い壁が待ち受けているのです。
選手登録は基本的に移籍ウインドウが開いている期間(ジンバブエでは1月~2月、6月~7月)にしか受け付けておらず、この期間内にすべての手続きを行う必要があります。
実際に必要となる書類は、
・国際移籍証明書(JFAが発行。クラブからのレターが必要)
・ポリスクリアランス(無犯罪証明書。日本で取得する必要あり。クラブからのレターが必要)
・身分証明書(パスポートでOK)
が必要となり、これを取得するまでにかなりの時間がかかります。アフリカ特有のルーズさもあるのでクラブのマネージャーに何度も確認する必要があるでしょう。
ちなみに編集長の場合は、2月の移籍には間に合わず、7月の移籍になりました。
アフリカでサッカー選手になるメリットとデメリットを解説!
それではここで、アフリカでサッカー選手になるメリットとデメリットについて考察していきたいと思います。
アフリカでサッカー選手になるメリット
編集長が考えるアフリカでサッカー選手になるメリットは以下の通りです。
・対人プレーに強くなる
・異なるサッカースタイルを学ぶことができる
・セカンドボールへの対応が以上に速くなる
・身体能力で劣るために考えてプレーするようになる
・自己主張ができるようになる
・代表クラスの選手達とプレーすることができる
といったところでしょうか。編集長は化け物みたいに足が速い選手などとも対峙したためにサッカー人生で最も頭を使いました。
アフリカでサッカー選手になるデメリット
一方でデメリットは、
・給与の未払いがある
・日本でサッカーする時にあまりのプレースタイルの違いに戸惑う
・ポン蹴りをするチームが多いためにプレーしていてつまらないと感じることがある
・練習とコーチの話が以上に長い
特に、コーチの話の長さはずば抜けて長いです。チームメイトたちもまったく聞いていませんでした。
これらのメリットとデメリットを理解した上で渡航することをオススメします。
アフリカでサッカー選手になった後のハプニング集!
さて、そんなアフリカでのサッカーライフですが時にはアフリカあるあるのハプニングが起こります。今思えば数えきれないほどのハプニングに遭遇しましたがそのうちのいくつかをご紹介したいと思います。
ハプニング1:観客が入ってきて試合が中止になる!
娯楽がないアフリカではサッカーへの注目が異常なほど高い反面、観客の中には酒を飲んで騒ぎたいだけの輩も一定数存在します。
ただ酒を飲んで騒ぐだけならいいのですが、問題は彼らがグランドに侵入してくるのです。
選手や審判に暴行することもあり、編集長が出ていた試合も1試合中止になりました(トホホ)
ハプニング2:急にスケジュールが変わる!
これもアフリカあるあるですが・・・
アウエイのゲームに臨むために7時間バスに揺られて試合会場に付くと相手がいない。
想像できますか?
完全にブルーです。
また7時間揺られて帰りました。この小旅行はかなり疲れました。
ハプニング3:ものが無くなる!
試合をしているロッカールームに泥棒が侵入し、物がなくなることがありました。
試合に勝って祝勝モードでロッカーに行くと一点、試合のことなど忘れて暴れる仲間たちの表情が今でもたまに夢に出てきます。
さらに詳しく知りたい人へ・・・
いかがでしたか?
あの中町選手も決断したアフリカサッカーへの道。
実は、アフリカのザンビアには現在中町選手と同じようにサッカー選手を目指している森下仁道という若者がいます。トライアウト真っただ中の彼に聞けば有益な情報を得られること間違いありません!
さらに詳しく知りたい方は森下選手に連絡を取ってみてはいかがでしょうか?
中町選手はジンバブエに行く可能性もかなり高かったために編集長は悲しいです。(条件、国の経済面が折り合わず実現なりませんでした)
とにもかくにも多くの貴重な経験を積ませてくれたアフリカサッカー。
大変なこともたくさんありましたが不思議と後悔の念はありません。